年次有給休暇の管理簿

有給休暇の管理簿は、勤怠の記録と別に作るもの?——書くのは時季・日数・基準日の3つ、保存は当面3年

出勤と退勤の時刻はつけているけれど、有給休暇の管理簿まで別に要るのか、迷っていませんか。

労働基準法施行規則は、有給休暇を与えたら、時季・日数・基準日を労働者ごとに書いた書類を作り、残すことを求めます。

管理簿に書く3つの項目と、とっておく年数、年5日の取得の進め方が、読み終えるころには手元にそろいます。

管理簿で押さえる3点
・書くのは、時季・日数・基準日
・保存は当面3年(規則の本文は5年)
・労働者名簿や賃金台帳とまとめて作れる

管理簿には、何を書くの?

有給休暇を取った日(時季)、取った日数、有給休暇を与えた日(基準日)の3つを、一人ずつです。厚生労働省の解説の言い方はこうです。

時季、日数及び基準日を労働者ごとに明らかにした書類(年次有給休暇管理簿)を作成し、当該年休を与えた期間中及び当該期間の満了後3年間保存しなければなりません。

この書類の名前は、労働基準法施行規則の第24条の7に出てきます。有給休暇を与えたときに作るもの、という位置づけです。

書く項目中身根拠
時季有給休暇を取った日付施行規則 第24条の7/厚労省の解説
日数基準日から1年のあいだに取った日数同上
基準日有給休暇を与えた日。2つあるときは2つとも同上

基準日が2つある場合の書き方も、解説の補足にあります。入社した年とその次の年で与える日がずれる職場では、ここを見落としやすいところです。

何年とっておけばいいの?

いまは3年です。施行規則の第24条の7は保存の期間を「五年間」と書いていますが、同じ規則の第71条が、当分のあいだ「三年間」と読み替えると定めています。

厚生労働省の解説が「3年間」と書いているのは、この読み替えによる数字です。条文だけを読むと5年に見えるので、社内で決まりを書くときは両方の条を並べておくと、後から読む人が迷いません。

保存の起点は、有給休暇を取った日ではありません。与えた期間が終わってからの年数を数えます。

年度をまたいで記録を消す職場は、消す前にこの起点を確かめてください。

管理簿を紙で作るか、表で作るか、勤怠のシステムの中に持つかは、規則の文からは決まりません。

大事なのは、一人ずつの3項目が、あとから確かめられる形で残ることです。

勤怠の記録や賃金台帳と、まとめて作ってもいい?

まとめて作れます。施行規則の第55条の2の文です。

使用者は、年次有給休暇管理簿、第五十三条による労働者名簿又は第五十五条による賃金台帳をあわせて調製することができる。

システムの中で持つことも、厚生労働省の解説は差し支えないとします。

また、必要なときにいつでも出力できる仕組みとした上で、システム上で管理することも差し支えありません。

勤怠のシステムに有給休暇の欄があるなら、3項目が一人ずつ出力できるかを見ておくと、別の表を作らずに済みます。

年5日の取得は、どう進めるの?

会社が時季を決める前に、本人の意見を聴きます。対象は、年10労働日以上の有給休暇を与える人です(施行規則 第24条の5)。時季の決め方については、第24条の6がこう定めています。

使用者は、法第三十九条第七項の規定により労働者に有給休暇を時季を定めることにより与えるに当たつては、あらかじめ、同項の規定により当該有給休暇を与えることを当該労働者に明らかにした上で、その時季について当該労働者の意見を聴かなければならない。

本人がすでに5日取っていれば、会社が時季を決める必要はありません。解説の言い方です。

既に5日以上の年次有給休暇を請求・取得している労働者に対しては、使用者による時季指定をする必要はなく、また、することもできません。

管理職や、期間を決めて働く人も対象に入ります。

対象労働者には管理監督者や有期雇用労働者も含まれます。

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よくある質問

勤怠のシステムの中だけで管理してもいい?

厚生労働省の解説は、いつでも出力できる仕組みにした上でなら、システム上で管理してよいとしています。紙に印刷して残すことまでは求めていません。

保存は3年と5年、どちらに合わせればいい?

いまは3年です。施行規則の第71条が、当分のあいだ第24条の7の「五年間」を「三年間」と読み替えています。読み替えが外れる日が来たときに備えて、5年残しておく職場もあります。

本人が自分で5日取ったら、会社は何もしなくていい?

時季を決める必要はなくなります。それでも、管理簿の記録は残す必要があります。取った日付と日数を、一人ずつ書いておいてください。


出典

有給休暇の扱いは、就業規則と労使協定によっても変わります。職場の規則と、労働基準監督署の案内をあわせてご確認ください。

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